辞書と暮らせば(休業中)

3月前後に復帰予定

しばらく新書買ってない。

の解説

日本最初の、西洋医学書の翻訳書。本文4巻、解体図1巻。安永3年(1774)刊。ドイツ人クルムスの「解剖図譜」のオランダ語版「ターヘル‐アナトミア」を前野良沢杉田玄白らが翻訳したもの。神経・軟骨・動脈などの訳語がつくられ、その苦心のようすは杉田著の「蘭学事始 (らんがくことはじめ) 」に記されている。

 

出典:解体新書(かいたいしんしょ)の意味 - goo国語辞書

 

解体新書とかけまして、アマゾンの欲しいリストととく

そのこころは

どちらもかいたいもの(解体物・買いたいもの)があるでしょう

 

hobbytimes.jp

 

翻訳ものの出版というのはとにかく大変だ。現代だって辞書とにらめっこしながら、現地人じゃないと伝わらないような微妙なニュアンスもあるし、超難しい専門用語もわかりやすくかつ矛盾の無い様に伝えないといけないのだから、その労力たるや推して知るべしという感じ。

 

江戸時代なら尚更だ。当の杉田玄白オランダ語はさっぱり、一緒に翻訳に当たった前野良沢も100かそこら程度の単語しか知らないという拙いレベル。そして現代のような辞書なんての物もないハードモード。

そうでなくても激ムズな医学書。数少ない知ってる単語を頼りに、推測に推測をかさねて翻訳作業にあたるのだから、そんな翻訳書が正確である筈がない。事実、現代の専門家から見ると、その中身は間違いだらけだと言う。

 

前野良沢氏もそれが分かっていたのでしょう。出版するにあたって自分の名前は入れないでくれと杉田玄白言ったらしい。そりゃ俺が前野良沢の立場だったら絶対嫌だと思う。

中学生レベルの英語力しか無いのに、辞書もグーグル翻訳も無くクッソむずい英文の医学書を訳してくれという無茶ぶり。ほぼカンを頼りに作られた翻訳書を出版させられるとか恥をさらすに等しい

 

とはいえ、この書物によって西洋医学が日本に広まったのは事実だし後の福沢諭吉にも大きな影響をあたえたというから、功績は大きい。

 

イオニアの苦労と偉大さを感じさせる書物ですね